August 4, 2004
地鎮祭(ジチンサイ)って、なに?
私たち、建築に携わるものにとっては日常的な行事ですが、一般の建主にとっては当然初めての経験です。そこで今日は地鎮祭についての豆知識です。
以下はある神社の宮司さんに頂いたものの転記です。
私たちは、昔から、建物を新築したり、または、改築するにあたり「地鎮祭」(ジチンサイ、トコシズメ・ノ・マツリ)という大切な儀式を執り行ってまいりました。この祭りにはどのような意味があるのでしょうか。
一言で言うと、建築工事によって土地がいじめられるので、その土地を守る神様たちにご挨拶をするためです。
土地を買って代金を払い登記を済ませると、その土地を自分のものと思い込みます。これはごくあたりまえのことです。
ところが、心の世界から見ると、異なります。この土地にはもともとここに住んでいる
「大地主神」(オオトコヌシ・ノ・カミ)様、このあたりの地域を守る「産土神」(ウブスナ・ノ・カミ)様、その他その土地を守る神様たちがいらっしゃいます。
そこで、これらの神様たちをお招きし、「こういう理由で建物の工事をしますので、お許しください」とお願いをし、また、「お許しくださいましてありがとうございます。」と感謝します。これが地鎮祭です。
そうすると、神様たちのご加護によって、この工事が安全に行われ、立派な建物が完成し、その建物に住んだり、そこで仕事をする人達に幸福が末永く続くことになります。
以上。
実際の地鎮祭の式次第を知りたい方は続きをどうぞ・・・
式次第
1.修祓(シュバツ)
私たちの心身に積もった「穢れ」=“気・枯れ”(ケガレ)を祓い清めます。
神職が大麻(オオアサ)で皆様を祓いますので、頭をお下げください。
2.降神(コウシン)
神様たちを神籬(ヒモロギ)にお迎えします。
神職が「オー」という声をあげるとき、皆様も頭をお下げ下さい。
3.献餞(ケンセン)
お供え物を上げ、神様をもてなします。
お施主様は、玉串料・初穂料を納めた「三方」を神前にお供え下さい。
4.祝詞奏上(ノリトソウジョウ)
皆様の心を神様に奉告します。
皆様もご一緒にお祈り下さい。
5.地鎮の儀(トコシズメ・ノ・ギ)
●修祓散供(シュバツサンク)
四方を祓い清め、土地の神様にお供えします。
●刈り初め(カリゾメ)・穿ち初め(ウガチゾメ)
工事初めの儀式をします。
皆様は、「エイ・エイ・エイ」と掛け声を掛けて、忌砂(イミスナ)の草を
鎌で刈り、鍬を入れ、鋤きで均します。
●埋納(マイノウ)
鎮物(シズメモノ)を忌砂に埋めます。
「オー」という声をあげる時、頭をお下げ下さい。
6.玉串奉奠(タマグシホウテン)
玉串の上に真心を乗せ、お参りします。
皆様は、玉串を受け取り、ご神前に進み、一礼し、玉串を右回りにし、
根元をご神前に向けてあげます。
二礼二拍手一拝します。
7.撤餞(テッセン)
お供え物を下げます。
8.昇神(ショウシン)
神様をお送ります。
神職が「オー」という声をあげるとき、皆様も頭をお下げください。
神酒拝戴(シンシュハイタイ)
日常生活に戻るために、心の切り替えをします。
以上です。
そのときが来たら参考にして下さい。
なお、神社様によっては多少異なる時もありますのでご了承下さい。