August 4, 2005

ちょっと思ったこと 050804

建築業界、特に、住宅建築業界のことを

『クレーム産業』 と言うことがある。

何だこれ!? と思う。

手入れをしなければ、
木は腐ります。
鉄は錆びます。

『ここの面には、大きな木製サッシをつけたいよね!』

そうすると、とたんに既製品では対応できなくなる。
でも、絶対にそのほうが気持ちがよくなる。
性能面では、既製品には敵わない部分が多い。
でも、気持ちはいい。

施主、設計者ともにどうするか悩む。

結果、気持ち良さをとる。

一年後、雨・風・日射にさらされて、木製サッシは少し痩せる。
色も変わる。

台風が来る。 ガタガタ音を立てる。 隙間風が入る。
昔の家はみんなそうだった。

それがいやだった。
だから、アルミサッシが普及した。

雨漏りは絶対にあってはならない。
構造体がしっかりしていないといけない。
これは言うまでもない。

しかし、一度建ててしまえば、後は何もしないで、
一生、そのままの状態でもつと思うのはどうか?

人の手でつくったものは、何もしなければ痛んでいく。
壊れていく。腐っていく。

工業製品は、時間がたつと “ ボロッちく ” なっていく。
自然のものは、時間がたつと “ 朽ちていく ” そしてまた、自然に帰る。

特にエコロジーにこだわるわけではない。
時を経て、どちらのほうが美しいと思えるか?
どちらのほうが、愛おしく思えるか?

夕方の商店街を工務店の熊さんが自転車で通る。
「熊さん! ちょっと、雨戸の調子が悪いから暇なときに見に来てよ」
「あいよ!!」

ハウスメーカーに電話をかける。
担当の営業マンは、転勤になっていた。
仕方がないので、電話に出た人に話をする。
「まだ、3年しかたっていないのに、雨戸の調子が良くなくなった!」
「雨戸の保障は2年です。ご依頼があれば修理に伺いますが
 費用が発生します。」

過去の経験をもとに
如何にクレームが出ないようにするか。
クレームが来たときにどういう対応をするか。
それを積み重ねてシステムをつくれ上げたメーカー。
(ハウスメーカーに限ったことではない、製品をつくるメーカーのことである)

それを“ 安心 ” と言うのか?

どうも、心 (こころ)を感じない。

頼む人 vs 頼まれる人
お金を出す人 vs お金をもらう人
やらせてやる vs やらせてもらう

私は、そういう関係で人と付き合いたいとは思わない。

ケツが青い? 偽善? 

でも、家づくりという大事業を成功させようと集まった仲間である。
心が通じていたほうが、良いものができると思う。
そして、楽しいと思う。

Posted by asazuma at August 4, 2005 9:29 AM