January 29, 2005
橡の家(つるばみのいえ) 建て方
昨日、今日と現場に行きました。
世田谷で進行中の現場です。
建物名は 『 橡(つるばみ)の家 』
外壁の色の名 『橡色(つるばみいろ):独特なグレー』からとった名前です。
昨年のうちに基礎工事を終え、昨日から建て方(建物の骨組みを組み立てる作業)がはじまりました。
1月27日の風景
冬の夕暮れの中、作業は進む
この建物は“鉄骨造”です。でも、普通に良く見る鉄骨造と比べると柱もハリも随分と細い。
簡単に言うと、木造と変わらない柱の太さ、間隔も同じ、ハリは木造では考えられないほどの細さです。もちろん構造の専門家による構造計算をきちんとしてあるので大丈夫。
おー!“空飛ぶ絨毯”みたいなものが飛んでゆく。
これはいったいなんだ?
下で待ち構える職人さんたち。
これは、何と階段の踊り場でした。
私が信頼する工務店、大原工務所のほこる優秀な名職人さんたち。
おっ、それからもう一人 建築家の二瓶さんもあんなところに。
夕空に舞う鳥のよう。
まさしくその名の通り “鳶(とび)”
よい子は、危ないから絶対にまねしないように!
よいおじさんは、足がツルので絶対にまねしないように!!
(やれって言われてもできないか?)
1月28日の風景
ワイヤーやチェーン、チェーンブロックを使って柱が垂直にたつようにしているところ。
昨日はなかった階段がついていた。
この調子だと、あと何日かは微調整にかかりそうだ。
普通の木造でやればこんなに面倒ではないだろうに。
でも、それにはきっと理由があるはず。
それはこの後のお楽しみです。経過はまた次の機会にお知らせします。
皆さんくれぐれも安全第一でがんばってください。
January 27, 2005
5年ぶりの「海の家」
昨日は、私の信頼する建築家 手嶋保建築事務所 の手嶋保さんが設計した建物を見学に行きました。
場所は横須賀市長井です。
頂いた案内図の通りに車を走らせていると
「オヤ?この通り見覚えがあるなあ」
そうです。今から5年程前にお手伝いしたMさんのお宅のすぐそばであることを思い出しました。
手嶋さんとお別れした帰り道、ちょっとよってみようかなあ?と
突然で大変失礼とは思いながらもTELしてみると奥様の懐かしい声が。
「スミマセン。ご無沙汰してます。朝妻です!」
本当はあまりの突然でかなりご迷惑だったと思いますが
半ば強引に遊びにいってしまいました。
(手嶋さんのつくった家は後日近々にご報告します。ごめんなさい)
とにかく海とともに暮らしたい
ひたすら待って売りに出た土地を即ゲット!
でも、こまった!建築費に回すお金が残りわずか!!
「誰か何とかして」と初めてのお電話。
それから早5年、どうなっていることか?
季節はずれの海。なんだか少しセンチメンタルな気分・・・
海から徒歩約30歩(私の短い足でも)で目的のMさんの家
建築家が付けた名前は「海の家」
近くの植木屋さんが捨てるはずの木の切れ端と海岸に打ちあがる流木の山。
これらはすべてこの家唯一の暖房器具の大事な燃料である。
手作りの表札。これも海から拾ってきたのかな?
初めてこの家の前を通る人は、「ここはお店ですか?」とはいってきてしまうことがしばしば。
デッキスペース。夏の楽しい光景が目に浮かぶよう。
ちなみにこの家にはいわゆる“玄関”がない。
夏の昼間は、写真右に並ぶ建具はすべて開け放たれてどこからでも出入り自由。
中に入るとすぐに居間。床材は通常は外部のデッキなどで使うもの。
砂だらけ、塩だらけでも気にならない。
子供たちのためにご主人手作りの遊具がいっぱい。
すべり台、ブランコ、ツナのぼり、あげくの果てにロープウェイまで。
この家の子達はおそらく、グレルことは無いだろうなあ~
余計なものは一切排除。
柱もハリもそのままむき出し。
家からまっすぐに伸びる道の先はもちろん 海 !!
正真正銘、名実ともに “海の家” でした。
あっ!そうそう。
この家のお子さんは3人兄妹。
長男:海太
長女:千波
次女:小波
愛犬:夏(ゴールデンレトリーバー)
うーん、さすがです。
なにはともあれ、とても楽しそうに暮らしていらっしゃいました。
こういうの、私一番嬉しいです。はい。
設計管理:塩田能也/インターデザインアソシエイツ
January 22, 2005
家づくり成功の心得-其ノ四
家は他人に自慢するためにつくるわけではない。
そこに暮らす家族が心地よいと思えればそれでいい。
周りに流されず、自分たちのためだけの家をつくればそれでいいのだ。
それでも他人に誉めてもらえることは嫌な気持ちがしないのも事実である。
しかし、順序を間違ってはいけない。
自分たちの住み心地が先。他人からの評価は後である。
January 19, 2005
建築士と施主の出会い系サイト!?
週間ダイヤモンド 2005.1.22号
『特集 10年後の大企業』
“ 超高成長企業 売上高伸び率 22位 ”
に、な、な、なんと ウィークエンドホームズ社 がランキング!!!
さらに、今期の売上高は 約20億円!!
また、10年後には売り上げ3000億円を目指すと!!!
さらに、さらに、今年8月に東証マザーズに上場するとのこと!!!!
記事によると、施主から受け取る報酬は家の予算にかかわらず
一律:63万円 らしい。
3000億円 ÷ 63万円 = 476,190軒
しかし、当然住宅だけではないのわかってはいても、それでもすごい数だ。
ちなみに、同号では、恒例のゼネコンランキングがある。
それによると売り上げ3000億円といえば
五洋建設 :2973億円
フジタ :2772億円
熊谷組 :3402億円
在京ゼネコントップの清水建設 :1兆2953億円
普通の町の工務店 :3億円売ればかなりな方かな?
建築プロデュース会社が大手ゼネコンと同等の売り上げを上げる?
まったくもって羨ましい限りである。
それにしても“建築士と施主の出会い系サイト” という表現は如何なものか?
「おい、おい、おまえもblog書いてる場合じゃないョ」って声がどこかから聞こえてきそうな・・・。
「ヨシ!私も今年はビジネスに徹するぞ!!」
って、それができていれば、もうとっくに上場しているのかな?
「でも待てよ?
建築プロデュース会社が上場して、集めたお金を何に使うのだろうか?
なんだか、デベロッパーでもやりたくなりそうだな」
と毎度、ひとり言でした。
イヤー、精神衛生上良くないものを読んでしまったようです。
!マークが多くてスミマセンでした。
だって、本当にビックリしちゃったんだモーン。
January 18, 2005
お宅訪問
今日は、昨年の夏の終わりに完成した深沢の家に行ってきました。
建築専門誌「新建築」の “ 近作訪問 ” のご担当の建築家が取材に来ることになっていたからです。
(ちなみに、その担当の建築家は当事務所の目と鼻の先にいらっしゃる杉さん、高橋さんでした。)
建主様にもすっかりご無沙汰していたのでいい機会でした。
今日お邪魔して、改めて建主様のセンスの良さを実感しました。
地下一階の廊下から書斎を観る
(床のし上げは墨モルタル)
ご主人の隠れ家 好きなものだけに囲まれてすごす夜のために
(これでもまだ未完成)
クローゼットの中になにやら写真が。
代官山でテーラーを経営するご主人の目指すものか?
(「ショーン・コネリーのボンドスーツはいまだにつくれない」と悔しがっていたことがありました。)
今日お話をいろいろと伺っていて、改めて想うこと。
いい住宅をつくるために、一番必要なこと。それは、
本当に信頼できる建築家と巡り会うこと。
そして、何よりも
“ 施主の家へ対する想いの強さ ”
それに尽きると、再確認の一日でした。
オーダーキッチン
昨日は、建主様と恵比寿にあるオーダーキッチン専門のHobbs(ホッブス)のショールームへ行きました。
Hobbsのどこがいいかというと、コーディネーターの吉田さん(女性)。
とにかく任せて安心していられる。
う~ん、やっぱり GAGGENAU は格好イイ!!
使いやすいかどうかは個人の判断にお任せします。
オーダーがいいか? 既成のシステムキッチン(本来、システムキッチンとはモジュールが共通していてどんな部材でも組み合わせが自由にできるというものだったらしい。欧米では・・・。)がいいか?
それは諸条件によって決まってくるものでしょう。
ちなみに私が個人的に憧れているキッチンはマチャアキの『チューボーですよ!』のキッチン。
あれくらいのスペースがあればさすがの私でも余裕を持って料理ができそうな気がする。
何せ、私ときたら、たまーに台所に立つのはいいが、とにかく段取りが悪い。
材料をダーッと並べてからでないとできない。
またさらに、その下ごしらえがやたらと時間がかかるときている。
家族にとっては本当にいい迷惑のようである。
それゆえ、次男に「よし。今日は父ちゃんが飯つくるぞ!何が食いたい?」ときくと
「回鍋肉!」「マーボナス!」「チンジャオロース!」
「何だよ!COOK DO かよ!!」てなかんじ。
おっと、毎度話が脱線してしまいました。
失礼しました。
January 17, 2005
家づくり成功の心得-其ノ三
芸術家とは、自分がつくりたい物を自分から創り出し、それを気に入った人に買ってもらいます。
建築家は建主に依頼されなければ自分から勝手につくる事はできません。
あくまでも建主の要望する物をつくるだけです。
しかし、ただ言われるままにつくるわけではなく、もっと良くしたい、もっと上手くいくはずだ。と絶えず新しい提案をしてくれます。
それが結果的にほかに見たことがないものや建築的に世間で評価されるものになったときにだけ、それが「作品」と言われる事もあります。
注)日本に限ったことです。
注)個人の住宅に限ったことです。
注)実際には少し勘違いしている建築家が少なからず存在することも事実です。
January 15, 2005
施主blog界の静かなブーム!?
rattleheadさんの家の記憶の妄想にトラックバック
建築家の皆さんへ
いつか「あなたは何系ですか?」って聞かれるときが
あるかもしれませんぞ!
そのときのためにも
『建てずに死ねるか!建築家住宅』は一度は読んでおくべきかもしれませんよ!
しかし、この“建築家住宅”って単語、なんかしっくり来ない感じしませんか?
デザイナーズハウスという単語だけは絶対に使いたくなかったでしょうが、
私も以前から建築家とともにつくった家を一言で表現できる単語がないかずーっと
考えているのですが良いのが思いつきません。ボキャブラリーのなさに日々反省です。
いや、この本だけではなく、もっと施主が読んでいる雑誌には目を通すべきですよ。
「素人には説明してもわからないだろう」なんて甘く見ているとしたら
そのうちに「建築家には言ってもわからないだろうけど」って時代になってしまうかもしれませんよ。
というわけで、私ももっと勉強しよっと!!
LINK
January 13, 2005
CASA BRUTUSは建築専門誌か?
昨日、ひさしぶりに「CASA BRUTUS」を買ってしまいました。
発刊当初は、不定期の季刊だったのにそれがいまや月刊に。
さらにこの内容の充実振り?
建築課の学生達の中には
「将来の目標はCASA BRUTUSに載ること」
という子もいるらしい。
恥ずかしながら、私も「へー!」と勉強になる記事もあたっりします。
これはもはや「コンビニで買えるプロ向けの建築専門誌」という
位置付けになっているのか?
しかし、ご注意を!
No.59 February 2005 の記事の中に
「ついに海外建築家に自邸を建てもらう時代に突入しました!?」
というのがありました。
親愛なるこのblogの読者の中には、まさか真に受ける方はいないと思いますが
私の感想は
「そんなこと、結果を考えただけで恐ろしくて、とてもお願いできないでしょう」
って感じです。
まあ、書くのは自由ですが書いた以上は責任を持ってね。マガジンハウスさん!
ところで、何で“プルート”っていう雑誌はないのでしょう?
あれ、もしかしたら以前は一度出たことあるのかな?
(「ハンバーガーおごってくれよ~!」って知ってます?)
でも、仮にGAや新建築がコンビニで売るようになったら買う人っているのだろうか?
January 8, 2005
家づくり成功の心得-其ノ二
何かを決定するときは、絶えず自問してみるとよい。
「これは、ただ自分が欲しいと思っているものなのか。
それとも本当に必要なものなのか。」
欲しいというのは願望や憧れのこと。
必要というのは欠かすことのできないこと、ということだ。
人は皆つい欲しいものを追いかけてしまうが決して満足しない。
欲しいものを手に入れても、次、また次と欲しいものが出てくる。
欲しいものとは頭が要求するもの。
一方、必要なものというのは不可欠なものということだ。
必要なものとは心が要求するもののことである。
大事なことは、本当に必要なことに焦点を絞ること。
焦点を絞るとは本当に必要な結果だけを見ること。
そしてその結果をはっきりつかめばそれを達成した自分の姿が見えるようになる。
January 7, 2005
プレゼント
私が書きました “渾身の一冊” をプレゼントいたします。
本人は「希望小売価格¥1,500はいけるだろう」といっているのですが
まわりの反応は「・・・?」 で、仕方なく「じゃあわかったよ¥1,000でどうだ」
に対しても「・・・?」
でも先日の奥沢の特別無料見学会の時においで頂いた方のなかで
「ただでは申し訳ないですから」と仰って「じゃあ¥700で」と。
(「おい、おい、それでも7掛けかヨ」とほーんの少しだけ思ってしまったが)
殊勝な方もいらっしゃいました。
でも、まだまだ建築プロデューサーの存在をご存知ない方がたくさんいることも
見学会を通して痛感しましたので、出血大サービスのつもりでドドーンと
先着15名様にプレゼントしちゃいます。
おもて表紙
失敗しないことが成功ではない
想っていた以上のものが完成してこそ
成功といえるのである
家づくりは、はじめてですか?
家づくりの迷路に迷い込んだ30代の主婦の前に
『家づくり成功ツアーのガイド』と名乗る変な妖精が突然現れた。
彼女は無事に迷路の出口を見つけることが出来るのか?
はじめての家づくりを決意したあなたへ贈る
建築プロデューサー暦10年の集大成!!
うら表紙
わが家の設計、誰に頼む?
いい家って、どんな家?
難しいことを考える前に、やるべきことがありませんか?
「この本の中には、家づくりの具体的な方法は書かれていません。
しかし、いい家をつくるための考え方のヒントはかかれています。」
目次
Ⅰ 完成パーティー
Ⅱ ガイドとの出会い
家づくりの迷路に迷い込む
Ⅲ マップに導かれて迷路を進む
いい家って、どんな家?
Ⅳ ガイドとの再会
わが家の設計、誰に頼む?
Ⅴ 迷路からの脱出、そしてはじまり
家づくり成功の最大の秘訣
Ⅵ そして、ガイドになる
お申込は
メール:gisei@asazuma.com
FAX:03-3464-1400
※ 業者の方からのお申込はお断り致します。
唐突ですみません!
以前、「家づくり成功ツアー」というカテゴリーで幾つか投稿したのですが
しばらく書かずにいたのですがまた再開しようと思います。
カテゴリーを
“家づくり成功の心得”と変更して昨日投稿しました。
それと同時に以前書いたものは一旦、削除しました。
今後は不定期になるとは思いますが思い出したときに投稿していきます。
January 6, 2005
家づくり成功の心得-其ノ一
テレビや雑誌などには多くの建築家が紹介されています。
しかしそこに出ている家はあくまでも他人のための家。
必ずしも自分たちにも合うとは限りません。
ぱっと見て気に入ったからと言って飛びつくと建築家、建主ともに不幸な事になることもあります。
まず、焦らずにその建築家が自分たちのためにどんな提案をしてくれるのかを直に会って、十分に相談したうえで正式に設計を依頼するかを決めるべきです。
建築家選びこそが家づくりの成功のカギを握っていると言っても過言ではありません。