August 31, 2005
August 30, 2005
建築予算でちょっと思ったこと 050830
随分と朝夕の風が秋らしくなってきた。
食べ物もおいしいものがどんどんでてきて
せっかくダイエットに成功したのに
リバウンドに気をつけなくては・・・。
さて、建築の予算についてちょっと思った。
いや、いつも思っていること。
建築予算は誰が決めるものなのか?
施主か? 設計者か? 施工者か?
残念なことに、ほとんどの場合は
金融機関が決める。
手持ちのお金・自己資金で家づくりをできる方は少ない。
多くの方がどこかしらの金融機関に住宅ローンの相談に行く。
年収を聞かれる。
建てようとしている土地の場所を確認する。
近隣相場を調べる。
ローン実施可能金額が決まる。
おや?
どんな建物を建てるかは問題ないのか?
建物の価値は評価には関係ないのか?
どうやら関係がないらしい。
残念でしかたがない。
つくり手としては、あまりに悲しい現実。
私のところへ家づくりの相談に来られる時には
ほとんどの場合が建築予算が決まっている。
「¥〇〇〇〇万円で家ってできますか?」
というご質問が非常に多い。
ここで私がいくら声高に叫んでみても
どうにもならないことかもしれない。
しかし、あえて言う。
「あなたは、¥〇〇〇〇万円の家が欲しいのですか?」
その答えは、ほとんど全員が 「NO!」であるはずだ。
本当は、「これこれこういう家が欲しい」 という希望があるはずだ。
「これこれこういう家を家を建てる場合はいくらかかるのか?」
というのが本来のあるべき姿ではないのか?
こういう家が欲しい! が先、お金は後! とはならないものか?
きっと、ならないのだろう。
“ 予算 ” は家づくりの数ある要望・条件の中に一つに過ぎない。
そう思って取り組んでいるつもりだ。
「予算とプラン、どちらを優先しますか?」という質問をよくさせて頂く。
迷わず、『予算です!』という方。
少し考えて、『予算です』という方。
『両方とも大事』という方もいる。
『もちろん予算は大事だが、それによりプランが詰まらなくなるようにはしたくない!』
と言ってくださる方もいる。
いずれにしても、予算は大事だ。
でも・・・
『ちょっと、ツマラナイなあ。』
と思う、業界唯一 少年の心を持つ建築プロデューサーの戯言である。
August 27, 2005
いい家について ちょっと思ったこと
訪れた友人が
「なんか、いいね!」とつぶやいた。
そういう家づくりをお手伝い出来たら嬉しいと思う。
別に他人の評価を気にするということではない。
「なんか、いいね!」と感じるのは
“ その施主(住み手)らしい家 ”
ということではないだろうか?
家に入ったとたんに
いい感じがする。
しっくりとくる。
自然な感じがする。
ということではないだろうか。
北欧風の家で、炬燵を使う。
カントリースタイルの家で、甚平を着て寝転ぶ。
「いいな」と感じるものは一つではないだろう。
囲炉裏もいいけど、暖炉も好きだ。
無垢のフローリングに憧れるが、畳に寝転ぶ気持ちよさも捨てがたい。
無理をしない。
背伸びをしすぎない。
自分たちの暮らしを見つめなおす。
『アー、こういう瞬間が、なんかいいよね!』
というものがあるのではないだろうか。
それをカタチに表したような家が
『なんか、いい家』ってことなのだろうか?
August 24, 2005
施主予備軍のBLOG活用法について ちょっと思ったこと
以前から、お世話になっている施主ブロガーgaraikaさんの過去のエントリに
「施主予備軍のBLOG活用-依頼先探しにどうか」というのがある。
これに触発されて、自分でも何か出来るのではないかと
「仮宣言」までしたにもかかわらず、いまだ何も出来ず、力のなさを実感中。
でも、投げ出さずに試行錯誤は続けていこうと思う。
昨日、ある方からコメントを頂いて気付いたことがある。
私の前のエントリについてのご意見を頂いた。
この方も、嬉しいことに私がそのエントリをするまでは
それなりに私のことを認めてくださっていたようだ。
しかし、その信頼感(そこまではいかないか?)も
その方のお考えと違うことをかいた途端に
実に簡単に「あっ、こいつじゃダメだ」 となってしまう。
実に残念なことである。
でも、悲しんでばかりいられない。
そこで、ふと思った。
こういう使い方でいいのではないか、と。
考えてみれば当たり前のことだが
インターネットは無料で情報を得る場である。
当然、不特定多数の方に見られていることを
意識しながらつくられている。
しかし、BLOGは少し違うニュアンスもあるのではないか。
少し前のことだが
ある女性が家づくりの過程を記録に残す意味もかねて
BLOGを立ち上げた。
その女性の文章も、傍から読んでいると
少し心配になって、アドバイスしたくなるようなものが多かったのも事実だが。
あまりにもそれがエスカレートしてしまい、現在はもう、そのBLOGは
お止めになってしまった。
チャットとBLOGは違う。(チャットはしたことがないが)
既に多くの人がBLOGを、ただの日記としてではなく
書き込んでいる。
施主側は日記的なものがほとんどだが
つくり手側は営業を意識したものが爆発的に増えている。
それを、施主が自由に読んで
選択していけばいいのであろう。
改めて言うまでもないことか?
でも、まだつくり手側のBLOGの数が少ないのかもしれない。
綺麗にデザインされたホームページでは分からないことが
BLOGには出てくる。
“ 人となり ” のようなものだ。
それをじっくりと読み込んで、選択肢を絞り込むのも
BLOGの活用法ではないか。
と、今更ながら感じた。
August 23, 2005
土地の値段と家の値段について ちょっと思ったこと
東京から電車で3時間強の海岸に面したところで
終の棲家を建てたい、という依頼を頂いた。
約100坪 土地価格 約1,000万円
安い!
羨ましい!
私が事務所を置く東京城南地域では
とても考えられない。
この話は前にも何回か書いているかもしれないが
やはり、この辺りはあまりにも土地の値段が高い。
土地面積:20坪 坪単価:200万円 価格:4,000万円
先の海岸沿いでなら、土地建物代金に相当するといってもいい金額。
「それでも、自分の好きな街で暮らしたい。」
そう願うならば、限られた予算の中で如何にいい建物をつくるか。
これはとても大切になってくる。
(これは、いつ、どこでも同じかもしれないが・・・)
2,000万円
大金である。
しかし、ことこれが、建築費となると
なかなか厳しいものがある。
2,000万円あれば絶対に家をつくることはできる。
但し、“ 但し ”が幾つかつく。
建売形式(オール既製品)でつくられる家ならば、当たり前の金額である。
十分、それなりに(見る人によっては)見栄えがするものが出来る。
しかし、私にご依頼頂ける方達は
それがイヤだから、それでは満足できないから、私のところへ来てくれる。
2,000万円で希望通りの家をつくる。
家にあるもの。
玄関扉、風呂、トイレ、台所・・・。
それ以前に
基礎、土台、柱、梁、屋根 といった骨組み部分。
建築費が1,000万円でも3,000万円でも大差はない。
でも、建築費は限られている。
気持ちのいい家とは、使用材料によって決まるものではない。
優先順位をハッキリとする。
厳しい条件だからこそ、設計コンセプトが大事になる。
メリハリをつける。
『小さな土地に予算厳守で、気持ちのいい家をつくる』
絶対に大丈夫だ!
建築家のアイデアをほんの少しでも取り入れれば、
必ずその夢は実現できる。 と思っている。
私たちは、家づくりが上手くいかないと思ったことはない。
なぜなら、成功させることしか考えていないからだ。
狭小ローコスト住宅成功の最大の秘訣
それは、
施主・建築家・工務店・家具ショップ
その家づくりにかかわるもの全員が
同じ方向を目指して協力し合うこと。
だと思う。
August 22, 2005
是非、ご覧ください。
これから、家づくりに挑む方必読!
先輩施主からの“ 家づくりの心得 ”の贈り物です。
『家づくり、行ったり来たり』のgaraikaさん。
最早、この方には「家づくりマスター」の称号を差し上げたい!
とにかく、是非、チェックです。
ちなみに、この方の家づくりには私は一切係わっていません。
残念なことに、私とは別の建築プロデュース会社にて
建築家を探し出し、家づくりを成功させたようです。(悔しい!)
August 18, 2005
住宅展示場について ちょっと思ったこと
住宅展示場って、何時、何の目的で出来たのだろうか?
Yahooで「日本 最初 住宅展示場」を検索してみた。
― 昭和41年(1966年)、朝日放送の主催により、大阪市大淀区(現北区)にオープンしたのが、日本最初の住宅展示場「ABCモダン住宅展」。プレハブ住宅を屋外に展示した画期的な販売手法で、大きな反響を呼びました。この住宅展示場事業を「ABCハウジング」として朝日放送から継承したのが、当社のハウジング事業です。 ―
そして、
― ABCハウジングは、現在、近畿圏に14会場、首都圏に9会場の住宅展示場を運営しています。住まいづくりを計画されるお客さまと、さまざまなハウスメーカーとの出会いの場となるのが住宅展示場。ABCハウジングは、長年の経験とノウハウを活かして、お客さまの夢の実現をお手伝いしています。 ―
だそうだ。
私へご相談いただく施主の約半数の方は、一度は住宅展示場へ行った事があるようだ。
そして残りの半数は、「端からメーカーに頼むつもりはないので行こうとも思わなかった。」とのこと。
プレファブの見本市。
プレファブ
Prefabricated House : 工場で生産された部材を現場で組立てた建築物
【デイリーコンサイス カタカナ語辞典から】
もともとは、災害時の仮設住宅のようなものばかりが並んでいたのか?
現在はどうだろうか。
見た目にはどのメーカーのものも、とても“ プレファブ ” には見えない。
でも、『 工場で生産された部材を現場で組立てた建築物 』 であることは変わりがない。
いや、それはなにもメーカーに限ったことではない。
多くの住宅が既製品の寄せ集めで出来ている。
ユニットバス、システムキッチン、扉、サッシ、・・・etc。
なぜか?
そのほうが早いから。
そのほうが安いから。
そのほうが儲かるから。
そのほうが実物を見て選べるから。
それをいやだという人がいる。
味がないという人がいる。
温もりがないという人がいる。
でも、壊れやすかったり、メンテナンスに手が掛かる事はイヤだとも言う。
それを覚悟で、極力、既製品を使わないで家をつくろうとする。
それは即ち 『オール特注品』 『完全オーダーメイド』 ということか。
工事費が一気に跳ね上がる。
クレームも増える。
住み手・つくり手、ともに
『やっぱり既製品の方がイイや!』 となるのか?
“ 工業製品 ” という言い方は、なんとも虚しい響きに感じる。
もはや、家は“ 組立てる ” 物なのだろうか?
August 17, 2005
山中湖に棲む!
8月12日 金曜日
山中湖へ、現地調査のために行ってきた。
今回の施主は、ここに別荘ではなく
一年を通じて住むために家を建てようとしている。
東京からわずか1~2時間で行ける所なのに
ずいぶんと気候が違う。
東京28度 山中湖22度
湿気も違う。
冬には、地面から70センチ下までは凍るらしい。
湿気と寒さ対策。
落ち葉と落ち枝(言い方が分からない)対策。
そして、当然のことながら予算厳守!
日常生活の快適性の確保。
快適な生活って、何だ?
森に住む。
都市に住む。
海に住む。
その場所ごとに、『快適』 と感じるものは
異なるのではないだろうか。
また、その人毎に
異なるのではないだろうか。
施主はここで、森の生活を望んでいる。
家から立ち昇る煙。
それは、全て生活のための煙。
この場所からは、何も見えない。
富士山も見えない、湖も見えない。
ここに建つ家に大きな窓は必要か?
大きな窓は、開放感をもたらすか?
大きな窓は、湿気も呼び込むか?
大きな窓は、虫も呼び込むか?
ここに建つ家には、なんとなく合わない気がする。
“ 籠る ” という感じか?
“ 低く構える ” “ 森と同化 ”
いろいろな条件を考えると
『エッ? これが家なの?』
というものになりそうな気がする。
変な意味では決してない。
ただ、既成の住宅には成り得ない。
と感じている。 今は、である。
帰り道。
霧に包まれた。
(ちょっと、怖かった)
August 13, 2005
ちょっと思ったこと 050813
11日のエントリへのコメントがおもしろい。
で、高気密・高断熱がらみでちょっと思ったこと。
garaikaさんの、立地条件を考えず、というは同感である。
東京でも、きちんとその土地の特性をつかめば
いい風が抜ける場所、方角というのも実はあるはずである。
しかし、そういうことを一切考慮せず、
標準プランのままに、『個室には、窓はこうつくもの』
と何の疑いもなくつけてしまう。
周りの環境を考えて、窓の位置を工夫するだけ
いい風を捉まえることができるかもしれないのに
端からそんなことは諦めてしまってはいないか?
残念だ。
東京で、エアコンなしの生活。
何もそんなことを推奨するつもりなどない。
しかし、少しはそういうことを考えてみてもいい気がする。
最近、軽井沢、山中湖といった別荘地に終の棲家を
と望む方々からの依頼が続いた。
当然、現地の様子を見に行くことになる。
近隣(近隣といっても10~20メートルも建物が離れているが)
の建物の様子も見る。
東京に建っているものと、なんら変わりがない。
外壁が木(モク)が多いというくらいの違いだ。
なぜ?
別荘地の販売センターへよってみる。
ログハウスのメーカーのカタログがどっさり置いてある。
“ 別荘=ログハウス ”
なんと、安易な図式だ。
「ここは日本だぞ!」と言いたくなる。
山中湖の今回の計画地の隣家には
こちらを向いて、大きなエアコンの室外機が鎮座していた。
昨日の山中湖現地の気温は22度。
ガックリである。
August 12, 2005
ちょっと思ったこと 050812
一つ前のエントリへのm-louisさんのコメントを拝見して
ちょっと思ったこと。
『うちの建築家』
いいですね! この言い方!!
なんか、すごくいい。
『わが家の設計を頼んだ建築家』
『設計をお願いした建築家』
ってのが普通の言い回しだとすると
『うちの建築家』
ってのは、なんか身内感があるというか、
信頼感があるというか。
なんかいいと思ってしまった。
これはやっぱり、チャリンコ二人乗りをし
一緒に酒を酌み交わす仲 って感じか?
『お前は必死に、設計しろ。
俺は本気で住んでやる! 』
“ 施主とつくり手とがひとつになる ”
そんな瞬間を見ることができたときは
本当にこの仕事をしていてよかったと
心底思える瞬間である。
August 11, 2005
ちょっと思ったこと 050811
高気密、高断熱、明るくて、風通しがいい
要望として多い項目である。
高気密、高断熱にして機械による24時間換気。
なんとなく矛盾、無理を感じる。
高気密で、風通しがいい家?
難しい!
窓を開けて風を通したいのに、高気密を望む。
高気密、高断熱で明るい家?
窓を大きくして、室内を明るくすれば
同時に室温もあがる。
エアコン全開か?
住宅の良し悪しを
性能や数字でしか判断しない、できないのは
如何なものか?
北海道でも気温30度。
日本もどんどん亜熱帯化しているというのに
北欧の住宅をまねる。 なぜだろう?
売り手側からの提案を基に考えるのではなく、
自分たちにとっての“ いい家 ” を考えてから
どこに依頼するのかを決めるほうがいいと思う。
August 10, 2005
ネーミング
何かに名前をつける。
とても、難しいことです。
私が代表を務める、BASEMENTの由来
BASEMENTは直訳すると『地下室』
少し捻って、『縁の下の力持ち』
BASE を MANAGEMENT する → BASEMENT
と語呂合わせの造語。
私が、建築家、工務店、家具ショップともに
主に30代をメインに推し進めている teamhappy の由来
『土地が小さい』『予算が少ない』だけど建築家とともに
楽しみながら、家づくりを成功させたい。
建築家+工務店+家具ショップ&建築プロデューサーが
いい家がつくれるように、チームを組んで挑むから teamhappy。
teamhappy の TEAM は
Together (いっしょに)
Everyone (みんなで)
Achives (成し遂げよう)
Miracles (奇跡を)
つまり、みんなでいっしょに厳しい条件を跳ね除けて、
気持ちのいい家をつくりあげる奇跡を起こすぞ!
そして、みんなで幸せになろう!!
という願望を表現。
建物のネーミングも多種多様。
地名から取ったもの。
コンセプトを表現したもの。
見た目のカタチをそのまま言い表したもの。
施主の名前。
なんとなく勢いで。
何かに名前をつけるときには、未来を見据えて責任を持って
付けていきたいと思う。
August 9, 2005
ちょっと思ったこと 050809
ここ1ヶ月ほど、訳あって電車通勤をしている。
昨日の帰りのこと。
代官山駅改札を入り、ホームへ向かう途中。
女子高校生が床に倒れていた。
いや、一瞬そう思ったのだが、よく見ると友達とおしゃべりしているようだ。
“ 床に寝ながら ” である。
どうも部活帰りのような格好。
顔も真っ赤で、そうとうバテバテの様子。
35度の猛暑の中での部活、そりゃバテルのもわからなくはない。
しかし、
“ 床に寝る ” ことはないのではないか。
“ してはいけない ” と思いながらも、我慢できずについ言ってしまった。
『そんなところで寝てるのおかしいよ』
いたって優しく、優しく話しかけた。 つもりである。
しかし、その彼女たちの反応は
『・・・・・・・・・・』 と無言。 & 睨み返し。 & 口ぽかーん。
それ以上は、もうやめた。
今になって、もっとしっかりと叱るべきだったのか、と少し反省もしている。
彼女たちは悪くないと思う。
そういう風に育てられたのだから。 大人が悪いのだ。
彼女たちの考えは、
「別にいいじゃん! ダリーんだから、寝てたって!
おっさんになんか迷惑かけたかよ! 」
おそらくそんな感じだろう。
彼女たちは、黒髪ショートのいたってまじめそうな子たちだった。
それでも、そうなのだ。
彼女たちも、いずれは母になるのだろうか。
余計なお世話なことは分かっている。
自分たちも、そういう時期があったこともわかっている。
酔っ払いオヤジが、夜のベンチや道端で寝ていることもある。
子供たちばかりを悪くはいえない。
でも、恥ずかしい とか 格好悪い とか。
そういう気持ちがなくなるのは、如何なものかと思った。
完全ぼやき系建築プロデューサーの独り言でした。
August 4, 2005
ちょっと思ったこと 050804
建築業界、特に、住宅建築業界のことを
『クレーム産業』 と言うことがある。
何だこれ!? と思う。
手入れをしなければ、
木は腐ります。
鉄は錆びます。
『ここの面には、大きな木製サッシをつけたいよね!』
そうすると、とたんに既製品では対応できなくなる。
でも、絶対にそのほうが気持ちがよくなる。
性能面では、既製品には敵わない部分が多い。
でも、気持ちはいい。
施主、設計者ともにどうするか悩む。
結果、気持ち良さをとる。
一年後、雨・風・日射にさらされて、木製サッシは少し痩せる。
色も変わる。
台風が来る。 ガタガタ音を立てる。 隙間風が入る。
昔の家はみんなそうだった。
それがいやだった。
だから、アルミサッシが普及した。
雨漏りは絶対にあってはならない。
構造体がしっかりしていないといけない。
これは言うまでもない。
しかし、一度建ててしまえば、後は何もしないで、
一生、そのままの状態でもつと思うのはどうか?
人の手でつくったものは、何もしなければ痛んでいく。
壊れていく。腐っていく。
工業製品は、時間がたつと “ ボロッちく ” なっていく。
自然のものは、時間がたつと “ 朽ちていく ” そしてまた、自然に帰る。
特にエコロジーにこだわるわけではない。
時を経て、どちらのほうが美しいと思えるか?
どちらのほうが、愛おしく思えるか?
夕方の商店街を工務店の熊さんが自転車で通る。
「熊さん! ちょっと、雨戸の調子が悪いから暇なときに見に来てよ」
「あいよ!!」
ハウスメーカーに電話をかける。
担当の営業マンは、転勤になっていた。
仕方がないので、電話に出た人に話をする。
「まだ、3年しかたっていないのに、雨戸の調子が良くなくなった!」
「雨戸の保障は2年です。ご依頼があれば修理に伺いますが
費用が発生します。」
過去の経験をもとに
如何にクレームが出ないようにするか。
クレームが来たときにどういう対応をするか。
それを積み重ねてシステムをつくれ上げたメーカー。
(ハウスメーカーに限ったことではない、製品をつくるメーカーのことである)
それを“ 安心 ” と言うのか?
どうも、心 (こころ)を感じない。
頼む人 vs 頼まれる人
お金を出す人 vs お金をもらう人
やらせてやる vs やらせてもらう
私は、そういう関係で人と付き合いたいとは思わない。
ケツが青い? 偽善?
でも、家づくりという大事業を成功させようと集まった仲間である。
心が通じていたほうが、良いものができると思う。
そして、楽しいと思う。
August 3, 2005
暑気ばらい
私の信頼する建築家の一人から
メールが届いた。
事務所の看板犬ならぬ“ 看板たぬき ”のポンタに
新しい家族ができたという知らせ。
事務所の場所は、井の頭公園駅のすぐ近く。武蔵野の住宅街。
武蔵野といっても、すぐ近くには吉祥寺の繁華街も控えているこの場所に
まさか野生の狸がいるとはびっくり。
以前より、打ち合わせにお邪魔したとき、
夕方になると縁の下から出てきたところを見かけたことが数回あったが
その風貌たるや、なんと、片耳を犬か猫に食いちぎられていて、
かわいそうやら、たくましいやら。
狸も大変だなあ、と感心していました。
そのポンタにまさか家族がいたとは!
がんばれ!ポンタ!!