Column
家づくりについてのひとり言 (4/4)
もう一度よく考えてみたいと思います。
建築家といっしょに家をつくることは、そんなにも特別なことなのでしょうか。
否、私は絶対にそんなことはないと確信しています。
頼みたいけど設計料が高い」「自分たちの家なんかやってもらえない」などと考えるのがその理由だとよく耳にしますが、そのまえに『誰に、どうやって頼んでいいのか分からない』というのが本当のところではないでしょうか。 そこで必要になるのが「建築家紹介システム」なるものだと思います。 しかし、そのグループに所属、登録している建築家だけが優秀な建築家ではありませんし、またその中に自分たち(施主)と相性の合う人がいるとも限りません。 さらにそれを主催している人たち自身が、頼みやすい人、頼みにくい人と徐々に一方に片寄ったりしないとも限りません。 ですから、 私はそういうシステムはとっていないし、これからもするつもりはありません。 故に、私は自分がやっていることを「紹介システム」だとは思っていません。 施主といっしょにまたは代りに建築家を探し、施主といっしょにまたは代りに家づくりをするのがベースメントだと思っています。
「それでは、いったいどんな人が設計や工事をするのか分からなくて不安だ」という声もあります。
しかし、私が勝手に建築家や施工会社を決定するわけではなく、最終判断はあくまで施主に行っていただきます。
でも、実際にはその判断基準が分からないからベースメントに依頼があるのですから、私は出来るかぎりのアドバイスや資料の提供は当然させていただきますし、余計なお節介もさせてもらいます。
では、いったい三名の中から最後に選ぶ建築家はどういう人なのかというと。
予めベースメントの用意するチェックリストに予算・敷地・最低限必要なもの・出来ればほしいものなどを施主に記入して頂き、それを基にそれぞれプランを出してもらいます。
しかし、図面だけを見たのではみんなそれぞれに良いところもあれば悪いところもあって、それだけではなかなか判断できないものです。
やはり、実際にその人たちと会っていろんな話をして頂き、「この人とならいっしょにやれそうだ」と思える人を選ぶのが良いと思います。
私はこれから施主になる人にこれだけはお願いしたいと思います。
「わたしは○□ハウスに頼もうと思うんだけど?」「それじゃあ安心していられるね」などという他人の反応ばかりを気にして依頼先を決めるのではなく、「わたしは△*に決めた」「そんなところで大丈夫なの?」「ええ、間違いないわ。だって自分で良く考えて決めたんだから」と胸をはって言えるようになってもらいたいと願っています。
家づくりにおいての主役は、いかなる場合でも『施主』でなくてはならない。
そのためには「自分たちにとっていい家をつくるんだ」という気持ちを強く持ち続けて頂きたいです。
家づくりの方法は一通りではありません。
たとえどこに頼むにしても「これは自分の家だ」「施主は私なんだ」という強く、はっきりした態度で臨んで頂きたいと願っております。
家づくりが成功するもしないもあなた次第なのですから。